でも、良かった。 何ともなくて。
ホッと胸を撫で下ろし、嬉しくてまた高橋さんの顔を見上げたが、何故だろう? この時、エレベーターの刻々と変わるデジタル階数表示を見ていた高橋さんの横顔は、とても険しくて、それでいて寂しそうに見えた。
高橋さん……。
「ありがとうございます」
エレベーターのドアが開いたのに、暫く高橋さんに見入っていためにドアの開を押して待ってくれている高橋さんにやっと気づき、慌ててエレベーターから降りた。
会議室に入ると、今日は社内報の写真で見ている偉い人達が沢山座っていて、会議に出席している役員以外の人達も錚々たるメンバーだった。
良かった……資料が間に合って。
もし、間に合わなかったりしていたら、高橋さんが大変なことになっていたかもしれない。想像しただけで、背筋が凍りそうな思いだった。
先ほど作ったばかりの資料を各席に配り、高橋さんの斜め後ろの壁際のパイプ椅子に座って会議の進行を見守っていた。
会議が無事に終わり、出席者がガヤガヤと話しながら会議室から外に出て行く流れに従いながら部屋から出たところで、高橋さんが急に後ろを振り返った。
本来ならば、上席に座っている社長から退出するのだが、今日はその社長が誰かと通路で立ち話をしていたようだった。
しかし、その話も終わったようで、雑談をしながら秘書の人と一緒に3メートルぐらい後ろを歩いていた。
「お話中、失礼致します。 社長。 少しお話が……」
「ん? 何だ?」
社長は年齢的に同世代の男性達よりは大柄な方なのだろうが、高橋さんの方がやはり背は高く社長が少し高橋さんを見上げている。
「此処では何なんで……ご都合をお伺い出来れば、その時間に改めてお伺いさせて頂きます」
「今なら確か……これから30分ぐらいは空いていたと思う。 そうだったな?」
「はい。 13時から、人事部長とのランチミーティングが入っております」
今、12時25分だから、あと35分……。
「ありがとうございます。 矢島さん。 先に戻ってて」
「あっ。 はい」
ホッと胸を撫で下ろし、嬉しくてまた高橋さんの顔を見上げたが、何故だろう? この時、エレベーターの刻々と変わるデジタル階数表示を見ていた高橋さんの横顔は、とても険しくて、それでいて寂しそうに見えた。
高橋さん……。
「ありがとうございます」
エレベーターのドアが開いたのに、暫く高橋さんに見入っていためにドアの開を押して待ってくれている高橋さんにやっと気づき、慌ててエレベーターから降りた。
会議室に入ると、今日は社内報の写真で見ている偉い人達が沢山座っていて、会議に出席している役員以外の人達も錚々たるメンバーだった。
良かった……資料が間に合って。
もし、間に合わなかったりしていたら、高橋さんが大変なことになっていたかもしれない。想像しただけで、背筋が凍りそうな思いだった。
先ほど作ったばかりの資料を各席に配り、高橋さんの斜め後ろの壁際のパイプ椅子に座って会議の進行を見守っていた。
会議が無事に終わり、出席者がガヤガヤと話しながら会議室から外に出て行く流れに従いながら部屋から出たところで、高橋さんが急に後ろを振り返った。
本来ならば、上席に座っている社長から退出するのだが、今日はその社長が誰かと通路で立ち話をしていたようだった。
しかし、その話も終わったようで、雑談をしながら秘書の人と一緒に3メートルぐらい後ろを歩いていた。
「お話中、失礼致します。 社長。 少しお話が……」
「ん? 何だ?」
社長は年齢的に同世代の男性達よりは大柄な方なのだろうが、高橋さんの方がやはり背は高く社長が少し高橋さんを見上げている。
「此処では何なんで……ご都合をお伺い出来れば、その時間に改めてお伺いさせて頂きます」
「今なら確か……これから30分ぐらいは空いていたと思う。 そうだったな?」
「はい。 13時から、人事部長とのランチミーティングが入っております」
今、12時25分だから、あと35分……。
「ありがとうございます。 矢島さん。 先に戻ってて」
「あっ。 はい」


