彼はスマホを取り出して調べ始めた。前もって調べてきてよ、と思ったけど、もしかしたらカラオケが本命だったのかもしれない。

高校生の頃はよくカラオケに行って二人きりの時間を満喫していた。私のいろんな初めてが詰まった場所が、駅の近くのカラオケなのだ。

そんな場所を最初に提示してくるなんてどうかしてる。

「マック行く?」

探し切れなかったらしい、諦めたように私たちがよく行ってたマックを出してきた。

「いいよ、マック行こう」
「よっしゃー、じゃあまずはドラッグストア行こ」

彼が立ち上がると、足元にいた鳩達がいっせいに飛び去った。