お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「あ、おねーちゃんだ!」

「あら、本当。冬音、おかえり。調子はどう?」


曲がり角から現れた、弟の夏海と、お母さん。

五才の夏海は手を繋ぐことは少なくなったものの、お母さんの隣をピッタリくっついて歩いている。


だけど、私の姿を見た瞬間。

夏海は、私へ突進するように――全速力で走って来た。


「おねーちゃん~!!」

「わ、夏海。危ないよっ」


頭をグリグリさせて、私と会えた喜びを伝える夏海。夏海は来年小学生だけど、私と年が離れている事もあって……私に対して、まだまだ甘えん坊。


「……このにーちゃん、だれ? ねーちゃんの何?」


そして、独占欲も強い。