お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

以前「恋なんてしたくない」と、莉音ちゃんにぼやいた。だけど私は、確かに――恋をする楽しさを、思い出し始めてる。

恋をすると、世界がキラキラして見える。今、私にとってのキラキラは、


――はい、行ってらっしゃい


守人さんの周りに、いつも嬉しそうに漂っている。


「……~っ」


そうか。そうだったんだ。

私にとっての光は、守人さんだったんだね。



私は確かに、辛い事があった。

だけど、その過去があったから……守人さんと会えた今があるんだ。


いつまでも過去を悔やむという事は、守人さんと出会った事も後悔しているのと一緒。


それだけは、絶対にしたくない――