お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する






「勇運くん、今日は迷惑かけっぱなしでゴメンね」

「迷惑と思ってないから、気にするな」


「私を送る」と言って、引かなかった勇運くん。お言葉に甘えて送ってもらい、現在――無事に、私の家に到着しました。


「何か飲む? えっと、お茶とか……」

「ふっ、いらねーよ」


勇運くんは「お茶」と言いながら、クツクツ笑う。目じりにシワが寄って……ヤンチャそうな、可愛い笑顔だ。


「女子高生が言うセリフじゃないよな。三石、渋いわ」

「え……。し、渋いかな……?」


自分では、自覚がないんだけどな。

すると勇運くんは、ポツリと呟いた。「だって」という声の後ろに聞こえたのは――


「だって同級生より年上の大人の方ばかり見てるんだもんな。じゅーぶん渋いっての」

「え……、え⁉」


ボンと、顔から火が出る。

だって……勇運くんが言った事って、


つまり――