「荒いですね」
「え、荒い?」
「運転の事です。さっきからガチャガチャと、耳障りですよ」
守人さんは「あぁ」と。自身の腰に下げている手錠に、一瞬だけ目をやった。
「コレですよ。運転する時、どうしても邪魔になるんですよね~」
「……原因が”手錠”なら良いんですがね」
「何か言いました?」
「いえ」
前を走る車に『通ります、よけてください。真っすぐ通ります』と柴さんが警告する。
その後――守人さんに向かって、柴さんは同じ声色で”警告”した。
「いくら気になる女子高生と、自分の弟が仲良くしていても――邪念は捨てなさい。ここから先は、命をかけた世界です」
「別に気にしてなんか、」
「あなたは命の重さを、誰よりも知っているはずですよ」
「!」
その時、守人さんの口が真一文字になったのを、柴さんは見た。「分かればいいんです」と、再び前の車に警告を入れる。
「え、荒い?」
「運転の事です。さっきからガチャガチャと、耳障りですよ」
守人さんは「あぁ」と。自身の腰に下げている手錠に、一瞬だけ目をやった。
「コレですよ。運転する時、どうしても邪魔になるんですよね~」
「……原因が”手錠”なら良いんですがね」
「何か言いました?」
「いえ」
前を走る車に『通ります、よけてください。真っすぐ通ります』と柴さんが警告する。
その後――守人さんに向かって、柴さんは同じ声色で”警告”した。
「いくら気になる女子高生と、自分の弟が仲良くしていても――邪念は捨てなさい。ここから先は、命をかけた世界です」
「別に気にしてなんか、」
「あなたは命の重さを、誰よりも知っているはずですよ」
「!」
その時、守人さんの口が真一文字になったのを、柴さんは見た。「分かればいいんです」と、再び前の車に警告を入れる。



