お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「……うるせぇ。ただのクラスメイトだ」

「はいはい」


状況についていけず、ただ口をパクパクする私。そんな私を、項垂れながら見る勇運くん。

私たち二人を交互に見ながら。

お巡りさん――守人さんは続けた。


「いつも弟の勇運がお世話になってるね、冬音ちゃん。不愛想なヤツだけど、これからも仲良くしてあげてね」

「……は、はいっ」


まだ驚く中。やっとの事で返事をした、その時だった。


ザザッ


『陽の丘警察本部より緊急伝達』


「!」
「!」


守人さんと柴さんの無線に連絡が入り、この場の空気が一気に変わる。

ピシリと音を立てて、薄氷にヒビが入ったような。そんな緊迫感が、辺り一面に漂った。