お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

ストーブのある部屋。ポカポカした温度にあてられ、私の頬がピンクに色付く。


「おーい、次の授業ってさ」
「ごめん、先に教室に戻って~」
「ねぇ、今日の小テストって――」


まだお昼休みの時間。色んな場所から、賑やかな皆の声が聞こえてくる。

それが子守唄代わりになって……私はウトウト、まどろんできた。

そんな中。



「なぁ、三石」

「……ん?」


今、名前を呼ばれた?

薄く目を開けると、勇運くんが私を見下ろしている。どこか真剣な表情で。

そんな彼が、聞くことは――


「お前、もう大丈夫なの」

「だい……、ん?」

「その……」


言いづらそうに、私から目をそらす勇運くん。

よく分からないけど……。吐き気は治まったし、今は眠たいだけだよ。だから、