お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する





「勇運くん、ありがとう」

「別に。落ち着いて良かったな」

「うん……ご迷惑、お掛けしました」


現在、私は保健室のベッドで横になっている。勇運くんはベッド脇に立って、私の様子を気にしてくれていた。

先生はというと「保護者に連絡入れてくるね」と、退室中。つまり、勇運くんと二人きり。


「保健室、暖かいな」

「……」


下から眺める勇運くんは、シュッとした輪郭が目立って……顔の小ささが、よく目立つ。

そして、やっぱり。
お巡りさんと、よく似ていた。


「どした、三石」

「な、なんでもない……っ」


目に映るのは、確かに勇運くん。だけど頭に浮かぶのは、


――はい、行ってらっしゃい


あの、お巡りさん。