「あぁ、言ってなかったっけ? 誰かさんに勉強を教えてたら、教師も向いてるんじゃないかって思ってさ」
その時、私は自分を指さす。誰かさんって、私のこと?という意味で。
すると勇運くんは「当たり」と言わんばかりに、私の頭をクシャリと撫でた。すると電話の向こうでは、守人さんがため息を漏らす。
『はぁ、それを先に言わないと。母さん、ビックリして目を回してたよ。早く教えてあげなよ、子供嫌いは克服したって』
「……そうだな」
ふッと、私を見て笑った勇運くん。その笑顔を見て、さっき彼が言った事を思い出す。
――子供は、3人くらいほしい
「……~っ」
あぁ、勇運くん。
さっきの言葉、あれは本当だったんだね。本当に、私との子供がほしいと。そう願ってくれているんだ。
私と同じ未来を望んでいると知れて……。嬉しくて、じわりと涙が浮かぶ。そんな私に気付いた勇運くんが、今度は優しく手を握った。



