「冬音ちゃん。こんな僕と出会ってくれて、本当にありがとう。
冬音ちゃんに出会えて、僕は本当に幸せだよ。とっくに諦めていた大きな壁を、乗り超える事が出来た。本当にありがとう」
「わ……、私こそ……っ」
私と出会ってくれて、ありがとうございます――
伸ばし、伸ばされた手を、互いに握る。
きつく、強く、しっかりと。
その時に握った手は、二人とも震えていて。だけど、私たちは笑い合っていて。
好きです、も。
付き合ってください、も。
ごめんなさい、も。
そんな言葉が、何もないこの空間で。私たちは、ただ「ありがとう」だけを、何度も言い合った。
今は、その言葉以外――何もいらない気がした。



