「あそこの看板、建物の持ち主に、声かけしないといけませんね。きっと気づいてないんですよ。自分の看板がどうしようもなくなっている事に」
「そう、ですね……」
柴さんの言葉が、頭の中で反復する。
――きっと気づいてないんですよ。自分の看板がどうしようもなくなっている事に
そして、その言葉は。今の私にピッタリはまるのではないかと、そんなことを思った。
だって私は、守人さんが”元気がない”ことを。柴さんに言われるまで、気づかなかったのだから。
「私……、学校に行きますね」
「はい。どうやら今日は風が強いので、お気をつけて」
「ありがとうございます」
結局、その後も守人さんの姿は見えず。私は学校を目指した。
そして弟である勇運くんと挨拶をするのだけど、
「……」
「なんだよ、冬音」



