「はい」と、ふわふわなウサギが、力の入らない私の手の中におさまる。
ぬいぐるみなのに、まるで生きてるように温かく感じるのは、守人さんがずっと持っていてくれたからだよね? 大事に、大切に。
「すみません、私……何も渡せるものが、」
「ふふ、そんなのいいんだよ。僕が勝手に渡したいと思ったんだから」
「でも……」
心苦しくて、思わず眉間に皺が寄る。すると守人さんは困ったように、弱々しく笑った。
「僕が見たいのは、冬音ちゃんの楽しそうな笑顔だよ。はい、その顔をしまう!」
「し、しまうって……」
「じゃあ、僕が目を瞑っている間に、その難しそうな顔をやめること。分かった?」
「え、えぇ……っ」



