お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「ありがとう冬音ちゃん。僕もね、今日がすごく楽しいんだ。冬音ちゃんと遊園地に来られて、本当に良かった」

「……はい」



きっと、大人の気遣いなのだろう。守人さんは、こういう時に相手を思いやれる、優しい人だから。

そんな優しい人を前に、私は……



――勇運くんっ!!



違う人の名前を呼んでしまった。

もちろん「あの時、勇運の名前を呼んだね」なんて。そんな意地悪なことを言う守人さんではない。聞かなかったことにしてくれてるのだ。


私のために――



「……っ」

「……ねぇ、冬音ちゃん。アレ乗らない?」

「え?」



深刻な面持ちの私に、守人さんはわざと明るい声で言った。指をさしたのは、観覧車。