お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

ガシッ


「危ねぇなぁ……」

「……へ?」


私の腕を掴む、誰かの手。

この骨格の浮き出た、ゴツゴツした手……私、見覚えある。

腕を辿ると、やっぱり。

この前、教室でハチから私を助けてくれた、あの男子だった。


「あ、ありがとう……」

「いーけど……。なんで、こんな小さな水たまりでこけてんだよ」

「えっと……好奇心で、つい」


私は恥ずかしさのあまり、茶色の長い髪をワシワシとかく素振りをする。

すると男子は――驚いた目で、私を見た。


「えっと……どうしたの?」

「いや、別に」

「でも、さっき何かに驚いてなかった? あ、まさか……またハチ⁉」


キョロキョロと周りを見渡すと、何も飛んでいない。

ほっ。気のせいで良かった……。