そして、何やら事情を察してくれたスタッフさんは「こちらです」と、速足で移動する。だけど、肝心の私は、歩くことが出来なくて……気づけば、床に座り込んでいた。
もちろん、そんな私を置いていく守人さんではない。私の前に腰をおろし「はい」と、広い背中を見せる。
「冬音ちゃん、乗って」
「え……」
「とりあえず、ここから出よう。それまで頑張れ、冬音ちゃん」
「……す、」
すみません――と。それしかいう事が出来ず。私は、力の入らない腕や足をなんとか動かして、守人さんの背中にしがみついた。
すると守人さんは、スクッと立ち上がり、スタッフさんの後に続く。
後ろから見た守人さんの顔は、暗いのもあって、よく見えなくて……。今、何を考えてるんだろうと思っている間に、明るい外へと出たのだった。



