お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「うぅ……。さむっ」


昨日は、ずっと家の中にいたせいか。久しぶりの外の気温の厳しさに、ブルッと身震いする。


「雪は降ってないけど……。あ、ココ凍ってる」


小さな窪みのあるアスファルト。

その上に乗っかる水たまりが、あまりの寒さに凍っていた。

私は「エイ」と。まるで小学生がするように、つま先で氷を割ってみる。

だけど、小さな氷はなかなか割れなくて……

つい、ムキになって力を込める。


「エイ、エイッ」


すると――ズルッ。


なんと、バナナの皮を踏んだみたいに、ツルッと滑ってしまう。

ちょうど力を込めた時だったから、思いのほか勢いがついてしまって……。

水たまりを目指していた私のつま先は、いつの間にか、空に向かって伸びていた。


「わ、わわ……!」


このままじゃ、こける――!


すると、その時。