「気を付けてね」
「す、すみませんでした……」
守人さんはニコリとした後、だんだん私から手を離す。そして今度は、ベンチの背もたれに寄りかかった。
何をするのかと思えば、隣の空いてる席をポンポンと叩き、
「こっちに座る?」
と誘ってくれたのだ。
「は、はい!」
二人きりになる場面は、昨日だってあったのに。今はどうして、こんなに緊張しているんだろうか。
その答えは、とても簡単で。
お互いが制服ではなく、私服だから。それはまるで、デートしているみたいなのだ。
私服姿で会うのは二回目だけど……全くもって見慣れない。さらには守人さんがかっこよすぎるものだから、目の行き場に困ってしまう。
「……っ」
「冬音ちゃん」
「はい!」
緊張していると、守人さんが「ごめんね」と言った。
ん? 何への「ごめんね」?



