お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

その時のお巡りさんの笑顔が、どこか複雑に見えた。

手続きが長引いて、夜遅くまでかかったせいかもしれない。迷惑かけちゃったな……。

落ち着いたら、絶対にお礼をしよう。


『学校に行く最中に交番があるから、何か持っていこう。でも……何を持っていこうかな?』


お巡りさんは、何が好きなんだろう。

そんな事を考えていると、口元が勝手にニヨニヨ動く。

その時の変な顔がお父さんにバレないよう、私は必死に顔を隠したのだった――




話は戻って。




一日ぶりの登校。

寒い空に浮かぶ、大きな太陽。

そんな太陽の下を、私は晴れやかな気持ちで歩いていた。