お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「~っ、そんな優しい言葉……かけてもらえる資格、私には、」

「三石」

「だって私、勇運くんを、」



「――――冬音」

「っ、……!」



半ば泣きわめく私を諫めるため、勇運くんが私を呼ぶ。名字から、名前へ。

すると「冬音」と名前を呼んでくれた瞬間――一瞬だけ私たちの間に空間がなくなり、ゼロになった。

唇が、当たったんだ。



「……ゆ、くん、今……っ」

「……」



勇運くんを見ると、勇運くんも驚いていて。そしてしばらくの沈黙の後――ボンッと顔を赤くした。



「え……ごめ、今!」

「……っ」



もちろん私もすっごく驚いた。

だけど、私よりも驚いた反応をする勇運くんを見ると……反対に私は何も言えなくなって、ただ黙って、勇運くんを見つめる。