「危ないって……何が、かな」 「……」 分かっているくせに―― という顔をした男子は、私を冷ややかな目で見た。私も、負けじと男子から目を逸らさない。 それはまるで、腹の探り合い……と思ったけど、男子が私を心配する理由は、単純明快だった。 「何がって、お前。アレが見えないのかよ」 「……アレ?」 男子がツイと視線を動かす。 その後を、ついていく私。 すると―― 黄色と黒の警告色を身にまとった、大きなハチがいた。