『いいわねぇ、彼氏かしら』
『クールな感じがカッコイイ~』
『私もあんな彼氏にお見舞いされたい』

『……』


丸聞こえなのは、偶然なのかわざとなのか。とりあえず俺は、逃げるように三石の部屋に入った。


ガラッ、パタン


眩しいほどの夕日が、病室の中を照らしている。三石の顔にも光が届き、それがとてもキレイに見えた。



「三石……」



スヤスヤ眠る三石を見て「無事でよかった」と改めて思う。

居ても立っても居られなくて、三石に近寄り、薄茶色の髪をサラリと撫でる。毛先が頬に当たりくすぐったいのか、三石の口が「へへ」と開いた。



「……無防備」