お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する



「待ちなさい、勇運!」


パトカーに乗る警官に怒鳴られるなんて貴重な体験、今回限りにしてもらいたい。


「俺も乗せてくれ」と言えば、三石と連絡をとっている俺をパトカーに乗せてくれたかも知れない。

だが、ココは住宅街。あまりスピードは出せない。空でも飛ばない限りは、俺の足の方が速い。

ダッ


「勇運!!!!」


背中に兄貴の怒声が突き刺さる。だけど、俺は足をとめなかった。

さっきまで立っていられないほどだったのに、今では全速力。自分の回復の早さに驚く。

いや、ここまで俺を突き動かす存在があった事に驚くべきか。


――もうお前とは関わらない


あんなこと言っておいて、俺が全力で関わりに行っている。こんな俺を見て、三石は呆れるかもしれない。


「はぁ、はぁ……っ!」


三石。いいよ、呆れて。

でも呆れるのは、俺がお前を助けた後だ。俺は、お前を助けたい。だから、お前に向かう足を、絶対に止めない。