お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する



「はぁ、はぁ……! 早く、外へ!!」


日が沈んで見えずらくなってるけど、確か、こっちが出口だったはず。この廃墟を抜ければ、きっと――!!


だけど、その時。


私のすぐ横を、ビュンッと重たい音と共に何かが横切る。ガランガラン……と耳をつんざく金属音が響くと共に、私の目の前に鉄パイプが落ちてきた。


「きゃぁっ!?」


あと少し横にズレただけで、もろに私に当たってた。「当たってもいい」と思って投げてるとしか思えない。

成希は……本気なんだ。

本気で、私を――!


怖くて動けなくなった私の上に、成希がドサリと多い被さった。簡単に押し倒され、成希の重みがお腹にズシリと加わる。