お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する


――嫌な事をされたら、自分が納得できるまで、絶対に許しちゃダメだよ?


「〜っ!」


震える手で、ギュッと握りこぶしを作る。
そして自分に、喝を入れた。

自分を傷つけた相手を、簡単に許しちゃいけない。
自分が傷つけられた事を、簡単に無かった事にしちゃいけない。


「私……ずっと、覚えてる」

「冬音?」


成希が優しかった頃の事も。
成希が私に優しくしてくれた事も、鮮明に覚えてる。

そして、同じように。

成希がキツくなった頃も。
私に厳しくあたった事も――

全部ぜんぶ、覚えてる。