お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

声のした方とは反対側の手で、サッとスマホを隠す。そして、自分の体の影で、こっそりポケットに戻した。


「今、なにしてた?」


成希の口には、くわえタバコ。いつまで経っても慣れなかった、あの匂い。


「な、にも……してなかった、よ?」

「……」

「……っ」


沈黙という名の、判定。今、成希の中で私は「マル」なのか「バツ」なのか。その判断が下されている。


「~っ」

「……ま、いーや。」


ほぅ――と、心の中で息をつく。私の中で張りつめていた糸が、少しだけ緩んだのが分かった。

成希は、私が座る前に腰かけて、ボーッとタバコの味を楽しんでいた。

廃墟のど真ん中、ザラザラしたコンクリートの上。そこに二人向かい合って座っている。この現状を、今さながら不気味に思った。