――あ、終わった
「あの日」の私は、簡単に諦めた。すぐに自分を投げ出して、全くの抵抗も見せず、不幸の中へ自ら沈んでいった。
だけど、救われた。
守人さんに、柴さんに、そして――勇運くんに。あの日から、私はずっと、救われ続けている。
だから私は、諦めない。
皆が救ってくれた「私」を、自分の手で簡単に不幸になんて、させやしない。
「冬音、元気だったかよ」
「え……あ、……う、うん」
廃墟の中を歩く、私と成希。
見渡す限り空洞で、コンクリートの塊が溶岩のようにゴロゴロと転がっている。一目見て、ここが危ない場所だと分かる。
だけど、成希はどんどん進んでいく。私は辺りを警戒しながら、一定の距離を空けて後ろからついて行く。



