お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する






どれくらいも走ってない、時間にすると、きっと数分だ。だけど目の前に広がる景色を見るに、ココは私の知らない場所。


人が寄り付かないような、薄暗い廃墟。その廃墟の前に着いた途端、車は停止し、成希は車のエンジンを切った。


「降りろ」

「……え、でも」

「早くしろ」

「わ、わかった……っ」


シートベルトを外し、助手席のドアを開ける。すると、木々に囲まれた廃墟が私を出迎えた。

二階建て、所々設置されている窓にはガラスは無く、ドアというドアもないコンクリートだけ残った廃墟。元がどんな用途で使われていたか分からない。それだけで、一層の不気味さを覚える。


まさかじゃないけど……この中に、入るわけじゃないよね?
それに、もし入ったら……私、一体なにをされるの?


「……っ」