お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「ねーちゃん?」

「!」


そうだ、今の私は一人じゃない。

夏海がいる。

夏海だけは、助けないと――


ドンッ


手を離して、夏海を力強く押す。すると、五才といっても小柄な夏海は簡単に遠くに飛ばされ、地面に横たわる。


「痛いよ、ねーちゃん!」


私を睨む夏海。

だけど、私は――


「夏海!」


逃げて、早く逃げて
後ろを振り向かずに走るの
この人は、とっても危険な人だから


だけど、こんな事を五歳の子が聞いていいのかな。トラウマにならないかな。


「ねーちゃん?」

「……っ」


やっぱり知らない方がいい。知ってはダメだ。お姉ちゃんが恐怖で怯える顔なんて……見せちゃダメ。