お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「よし、夏海。あのお兄ちゃんの所がゴールだよ! いくよ~」

「はーい!」


そうして、二人で後ろ足に力を入れる。

その時だった。


「楽しそうな事やってるなぁ?」

「っ!」


この場に、岩のように落ちてくる、重たい言葉。聞き知った声に、全身が震え始める。


「ま、さか……っ」


恐る恐る振り返る。

すると――


「久しぶりだなぁ~冬音? ちょっと顔かせよ」

「あ、ぁ……っ」


あの日よりも少しやつれた成希が、車に乗って、私の真横にピッタリとくっついている。

あまりの近さに、全身が硬直して動かない。呼吸してるはずなのに苦しくて、制服にシワが寄るほど、服の上から心臓を強く抑えた。

だけど、