お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

急いで靴に履き替え、校門を目指す。

すると、勇運くんがちょうど左へ曲がったのが見えた。良かった、そこが分かれば、後は何とかなるかも!


と、思っていた、その時だった。


「おねーちゃーん!」

「え、夏海?」


なんと勇運くんが歩いた反対方向から、夏海の姿が見えた。顔には泣いたあとがある……。


そうか。今日は夏海の嫌いな、予防接種の日だ!


夏海が通う小児科は、偶然にも私の高校の近くにある。


だから、小児科が終わって私が夏海を家に連れて帰り、お母さんがそのまま会社に戻る――という事を何度かした経験がある。