お巡りさんな彼と、その弟は、彼女を(密かに)溺愛する

「そんなに”不満そう”な顔してる冬音ちゃん、初めて見たかも。まだまだ話し足りないんだね」

「うん。まだ、全然なの。まだまだ勇運くんと話したい」

「そっか、なら――行ってらっしゃい」


莉音ちゃんは、私のカバンを「ハイ」と手渡してくれる。そして私は、


「ありがとう莉音ちゃん。行ってきます!」


笑顔で、リレーのバトンみたいに力強く受け取った。




バタバタと、教室を後にする。

勇運くんは、逃げる時は速足だから、もう校門を出ているかもしれない。勇運くんのお家を知らないから、追う事が出来るのは校門までだ!


お願い、どうか――間に合って!