それから、どう帰ったか覚えていない。
翌朝、登校すると、既に席についている彩金に微笑まれた。

「おはよう」

「おはよう」

「どっか行け」

挨拶を返すと、彩金のおんぶお化けになっている東銀雅に睨まれる。
そして、彼らのファンにも睨まれた。

虫の心臓な私は、自席で始業まで寝たふりを決め込んだのだ。

「ねーえ、氷昌ちゃん」

背中をつつかれる。

心の中でごめんなさいと唱えながら、寝たふりを続けた。
そして、待ちに待った1限目。

教師が入ってきて思い出す。

宿題、やるの忘れてたわ。