先輩の一番になりたい

「えっ、江原さんの初恋が……俺? マジか……すげぇ嬉しいかも」

 そう言って、私を引き寄せ、優しく抱きしめてくれた。

 お互いに一目惚れ同士だけど、想いが通じ合うってこんなに嬉しことなんだ……と知ることができた。


「でも、先輩モテるから……ちょっと心配です」

「大丈夫だって。俺は江原さんしか見てないから。そうだ、さっきの借り物競争で1位になったことだし、何かご褒美くれない?」

「えっ、ご褒美……ですか?」

 急にご褒美が欲しいと言われても、こういう時どうすればいいんだろう?
 
 私が迷いながら俯くと、篠宮先輩が続けて話す。

「うん。ご褒美無いと……このあと頑張れないかも……。俺まだ出なきゃいけない競技があるんだよね~」

 そんな小さな子どもっぽいことを言い出した先輩に、私はそっと頬にキスをした。



完.