雪が降ってきた。

「寒いと思った…」

思わず呟いた独り言に

「ホントに寒いね」

返事があったからビックリして振り向く。


すぐ後ろに彼がいた。

背が高く思わず見惚れる。


「…行くかぁ…」
ジャンパーのジッパーをギュッとあげ走って行く後ろ姿に

「頑張って…」と呟く。

雪にかき消されて届かない言葉。