〜癒しcaffeへようこそ〜

その言葉に、聡子さんのホッコリしていた心が少し緊張してピーんと張ります‼︎



「私は…このお店に来て薫さんに心を救って頂きました。薫さんのおかげで私は立ち直ることができたんです⁉︎私も薫さんを救ってあげたい‼︎」



聡子さんは薫さんの目を見て真っ直ぐそう言うと、「差し出がましいようですけど…」と話を続けました。



「差し出がましいようですけど、何か抱えているものがあるなら、楽になりませんか⁇私じゃ薫さんの心を楽にはしてあげられないかもしれないけど、少しでも重い荷物を下ろすお手伝いがしたいんです‼︎一体昔何があったのか、お聞かせていただけないでしょうか⁇」



聡子さんは意を決して薫さんに自分の気持ちを全て打ち明けました…



薫さんはそんな聡子さんの言葉に少し驚いて…そしてクスッと優しい顔で笑い、また一口コーヒーを啜りました…



「聡子さんには敵いませんね…お客さんのお悩みを聞くのも上手になった。もう私がいなくても平気なくらいですね…」



薫さんは憑き物が取れたような優しい顔つきで聡子さんに話します…



また一口コーヒーを啜った薫さんは、「私は…」と静かにゆっくり口を開きました…



「私は、大学を卒業してからずっと、銀行マンとして働いていました。銀行の仕事は大変で、毎日遅くまで働いていました…27の時に人並みに結婚して娘もできましたが、私は仕事ばかりで家庭を顧みず、結婚生活は8年で終わり、私は離婚しました…銀行での仕事は融資の担当で、時には資金繰りに困った工場の融資を断って恨まれたり、仕事だからと自分に言い聞かせて非道な事も沢山してきました…」



薫さんはゆっくりと噛み締めるように話しを続けました…



「ある日…私が融資を打ち切った工場が倒産し、多額の借金を抱えた社長さんが自殺しました…私は自分のせいだと責任を感じ、せめてお線香をとお葬式に出向きました…すると自殺した社長の奥さんは私に塩を撒いてこう言いました…」



『人殺し』



私はその言葉を聞いて長年勤めていた銀行を辞めました…



全てが嫌になって、「探さないでください…」と一言別れた妻と娘にメッセージを残し、誰にも言わずにみんなの前から姿を消しました…



姿を消した私は各地を転々とし、ある日ふと入った喫茶店で一杯のコーヒーを飲みました…



その一杯のコーヒーに私は癒され、その喫茶店のマスターの言葉に心が救われました…



「人生はやり直しがきく…貴方がが傷ついた分、貴方は人を癒すことができる…貴方に救われる人もきっといると…」



その言葉に救われて、私は少しでも傷ついた悩める人の力になれればと調理師と栄養士の資格をとり、癒しcaffeを開きました…