「すごいわ! サイコーよ! いろは」

 お昼休みに部室で小春とお昼を食べながら、昨日仕上げたイラストのデータを彼女に見せた。

 小春が喜ぶことはわかっていたけど、なんだか恥ずかしい。

 だって、ショーマとリューセイのキスシーン、自分でも予想以上にえっちな雰囲気になったんだもの。


「さすが、18になったから急に大人になったわね。うわっ、もうリューセイのシャツの乱れ具合がもう、無理やりめちゃくちゃに脱がされた感じじゃない? 萌えるわあ」


 小春が褒めてくれるほど、私は顔が燃えるほど熱くなる。


「小春、あんまり言わないでよ。恥ずかしいよ」

「いいじゃない。この際どさ、最高よ。ああ、残念だわ。キス以上のことが書けないのが非常に残念!」

 そんなこと言ってこっそり書くくせに。

 ちらっと小春を見ると、彼女はニヤニヤしながら私を見ていた。


「な、何……?」

「いろは、私の思ったとおりね。あんた、開花すると思ったわ」

「何言ってるの? 意味がわからない」

「だから、いろはみたいなピュアな子ほど、そうなるともうヤバイことになるのよお」

「そうなるって?」

「これからも、じゃんじゃん彼氏に愛されて妄想力を強化してね」

「うん……」


 愛されて、いるのかな?

 急に不安になってきた。


 遥さんはとても優しいし、大切にしてくれる。

 勉強まで教えてくれるし、これ以上ないくらい素敵な人だと思うんだけど。


 キスをしてもらえないのがショックだなんて私のワガママなのかもしれないなあ。