18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


 ふと目が覚めるとカーテンの隙間が明るく見えた。


「朝……?」


 変な夢を見たような気がするのだけど、目が覚めた瞬間に忘れた。

 不思議な香りがする。柑橘系の大人の香りだ。

 私はハッとして上体を起こし、部屋を見渡した。


「遥さんの……部屋」


 そうだ。私はもう彼と一緒に暮らしているんだ。

 しかも結婚して私はもう妻なのだから。


「朝ごはん!」


 サイドテーブルのスマホを見たら、もう7時を過ぎていた。

 アラームが聞こえなかったよー!

 急いで着替えて寝室を出ると、すでにきちんと服装を整えた遥さんとばったり出くわした。


「おはようございます!」

 慌てて挨拶をすると、彼は微笑んで「おはよう」と返してくれた。


「ごめんなさい。寝坊しちゃって……」

「もう少ししたら起こしに行こうと思っていたよ」

「……すみません」


 初日から失敗しちゃったよ。

 明日からは頑張って起きよう。


「朝食、食べる?」

「え、はい……」

「よかった。一応作ったから」

「えっ!?」


 まさかの展開。

 朝目覚めたら夫が朝食を用意してくれているなんて。


 ダイニングテーブルにはカリカリに焼いたベーコンと半熟卵の目玉焼き。

 フルーツとクロワッサンが用意されていた。


「コーヒーでいい?」

「はい。あ、私が……」

 と言いかけたけれど、遥さんは手で制止して私に座るように促した。


 至れり尽くせりだよー。