18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


「遥さん……?」


 彼は私の髪を撫でて、それからその指先で耳のうしろを撫でた。

 なんだかぞくぞくして、胸の奥が熱くなった。


 不安に思って見上げると、彼は鋭い目つきで私をじっと見下ろしていた。

 とても、近い。

 恥ずかしくなってきて目をそらすと、彼は私に近づいて、ぼそりと言った。


「おやすみの挨拶をしようか」

「え……」

 遥さんは私の肩を抱いてぐいっと抱き寄せる。

 その拍子に私は思わず彼の胸に抱きついてしまった。


「遥さん」

 ああ、これはおやすみのハグだなと思った。

 だから、私も彼の背中に腕をまわそうとした。

 だけど、それはできなかった。


「は、るかさ……んっ!」

 突然唇を塞がれて呼吸ができなくなった。

 あまりにも不意打ちで、鼻で呼吸をすればいいのに、私は息を止めてしまって苦しくなった。


「んんーっ!」

 必死に呼吸をしようとして、彼から離れようともがいた。

 唇が離れた瞬間、目が合って、それから彼が言った。


「息を止めなくていいよ」

「そ、そん……」

 そんなこと言われても無理だよ!!


 彼はふたたび私にキスをした。

 何度か繰り返していくうちに、なんとなく呼吸のタイミングがわかった。

 だけど、胸の奥が熱くてドキドキして、体がうずうずした。


 変な気持ちがする。

 こんなの、いけない気がした。