18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


 加賀さんは遥さんの実家のお手伝いさんらしく、彼が中学生の頃から知っているらしい。

 そう思うと心強いなあと思った。


 私はリビングとキッチンとバスルームはすでに把握しているけれど、まだ知らない部屋があったので遥さんに案内してもらった。


「ここは書斎。少し散らかっているから入らないで。仕事関係のものもあるしね」

 そう言われて「わかりました」と答える。


「そして、ここが寝室」


 彼がドアを開けると広い部屋に大きなベッドが置いてあった。


 一緒に寝るんだよね……。

 そう思うとドキドキしてきた。

 だけど、意外なことを言われた。


「この部屋は君が好きなように使っていいよ。勉強するためのデスクも用意しておいたし」

「ありがとうございます。でも、遥さんは?」

「俺はだいたい書斎で寝ることが多いから」


 一緒に寝ないの?

 夫婦なのに?


 その疑問を口にしようとしたけれど、なんだか妙に安心したので言わないでおいた。
 
 その代わりに気になることを訊ねてみる。


「書斎には遥さんの寝る場所はあるんですか?」

「うん。実は簡易ベッドがあるからね。心配しなくていいよ」

「そうですか。ちゃんと疲れが取れるなら、それでいいんですけど……」

「俺のことを心配してくれるの? ありがとう」


 彼は私の頭を撫でながらにっこりと笑った。