18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


 次の日曜日も彼らは来た。

 もちろん、あのうるさい女の子もだ。


「いつもお邪魔してすみませんねえ」

 かえではまったく申しわけなさそうな顔もせずに言った。

 遥にはこう見えた。


「いや、いろはちゃんが来てくれたほうが奏太も喜ぶと思うから」

 赤ん坊が理解できるかよ、と遥は胸中で呟いた。

 彼らが玄関先で挨拶を交わしている様子を、遥は2階の吹き抜けになった廊下から見下ろしていた。


「赤ちゃん、かわいい!」

 女の子は嬉しそうに奏太に近づいた。

 ドレスのような服を着ている。ピンクと白の生地に花柄模様があり、髪飾りも同系色で揃えられている。

 前回もそうだったが、かなり凝ったデザインの高級感あふれる衣服だった。


 大切にされているんだろうなあ、あの子は。

 遥はふと、そんなことを思って、胸が苦しくなった。


 あの子の両親は優しそうで、あたたかい目で彼女を見ている。

 妙に悔しいような、うらやましいような、複雑な気持ちで、これ以上彼女を見ることができなくなり、遥は急いで部屋に戻った。