由希ちゃんはビールを飲み終えたあと、冷めたハーブティーのカップを手に取り、ひと口飲んだ。

 そして彼女はチョコレートに手を出す。


 私も大好きなチョコレートの包みを開けた。

 口に入れるとほろっと崩れて甘いチョコレートが溶けていく。


 ああ、やっぱり美味しい~。


「ところで相談って何?」

「え?」


 突然そう言われて、そういえば私は相談があると言って彼女を呼び出したことを思い出した。

 だけど、その内容について考えると恥ずかしくなってうつむいた。


「結婚のことでしょ?」

「うん、そう……」

「さっきの様子だと嫌でもなさそうだから、家事できなくて困ってるとかそんなところ?」

「まあ、それも、あるけど……」

 歯切れの悪い返事をすると、由希ちゃんは肩をすくめて言った。


「大丈夫じゃない? お手伝いさんくらい雇ってくれるよ。金持ちなんだから」

「うーん……そういうことでも、なくて……」

「じゃあ、何?」

「えっと……」


 こんなこと、相談するべきではないのかもしれない。

 だけど不安だし、何より怖いし、でもどうやって訊くべきかな?

 と思っていたら、由希ちゃんがさらりと言った。


「夜の営みどうしようってこと?」

「由希ちゃん!」

「図星かよ」