18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


 運転手さんが迎えに来て、おじさまは車に乗り込んで帰っていった。

 私はマンションの前で彼を見送り、それから自宅に戻って夕食の準備をした。

 それからダイニングテーブルに突っ伏して大きなため息をついた。


「ああ……やっちゃった。勝手におじさまを家に上げちゃったよ。遥さん、怒るかなあ?」


 しかも、おじさまはしっかり遥さんの書斎までチェックして帰ったのだ。

 ハラハラしたけど、彼はただ見ていただけだから大丈夫だよね。


 帰宅した遥さんを緊張しながら出迎える。

 おじさまが来たことは、言わなければわからない。

 たぶん。


「ただいま、いろは」

 彼は穏やかな表情で帰宅した。


「おかえり、遥さん」

 私も笑顔で出迎えた。


「誰か来た?」

「えっ……」

 どうしてわかっちゃうんだろう。

 冷や汗をかきながら正直に話すことにした。


「おじさまが来て、少し話して帰った」

「だろうね。あの人が好む香水の匂いが残ってる」

「え?」


 確かに香水の匂いはしたけど、もう消えていると思った。

 家にいるから気づかなかった。まだ、残っているなんて。


「勝手なことをしてごめんなさい」

 素直に謝ると、彼は怒るどころか私の頭を撫でた。


「いろはを使って説得するつもりだろうけど、無駄なことなのに」

 遥さんは呆れたように笑った。