18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


 最初の英語の試験は普通に、落ち着いて問題を解くことができた。  

 そして、国語の試験のときには酷く寒気がして、いまいち集中できなかった。

 しっかり着込んできたつもりだけど、めちゃくちゃ寒い。

 2科目が終わった頃、体がとても重く感じ、頭がぼんやりしていた。


 休憩時間になって、ぼうっと机に座っていたら、伊吹くんが声をかけてきた。


「秋月、大丈夫か? 体調が悪いんじゃないか?」

「う、ん……あと数学だけだから、大丈夫」

「もしかして、俺の風邪が感染(うつ)った?」


 どきりとした。

 この尋常じゃない寒気は、いくらなんでも普通じゃないと、さすがにわかる。


「薄着で夜に勉強していたから、自業自得なんだ。でも大丈夫だよ」

「本当か? 俺のせいで……」

「違うよ。伊吹くん、次の数学頑張ろうね」


 笑顔でそう言うと、彼は控えめに「ああ」と答えた。

 たくさん勉強してきたんだから、ここで(自分に)負けるわけにはいかなかった。


 そして、数学の試験。

 答案用紙が配布されると、ぐらりと目の前が歪んで見えた。

 慌てて額に手を当てて意識を保とうとした。


 めちゃくちゃ熱い。

 寒気が酷いのに、頭が熱い。


 だめ……せっかく頑張ってきたのに、こんなところで負けるわけには……。


 眩暈がしそうになって頭を抱えた。

 どうしよう。

 解答どころか、問題さえ頭に入ってこないよ。