最初の英語の試験は普通に、落ち着いて問題を解くことができた。
そして、国語の試験のときには酷く寒気がして、いまいち集中できなかった。
しっかり着込んできたつもりだけど、めちゃくちゃ寒い。
2科目が終わった頃、体がとても重く感じ、頭がぼんやりしていた。
休憩時間になって、ぼうっと机に座っていたら、伊吹くんが声をかけてきた。
「秋月、大丈夫か? 体調が悪いんじゃないか?」
「う、ん……あと数学だけだから、大丈夫」
「もしかして、俺の風邪が感染った?」
どきりとした。
この尋常じゃない寒気は、いくらなんでも普通じゃないと、さすがにわかる。
「薄着で夜に勉強していたから、自業自得なんだ。でも大丈夫だよ」
「本当か? 俺のせいで……」
「違うよ。伊吹くん、次の数学頑張ろうね」
笑顔でそう言うと、彼は控えめに「ああ」と答えた。
たくさん勉強してきたんだから、ここで(自分に)負けるわけにはいかなかった。
そして、数学の試験。
答案用紙が配布されると、ぐらりと目の前が歪んで見えた。
慌てて額に手を当てて意識を保とうとした。
めちゃくちゃ熱い。
寒気が酷いのに、頭が熱い。
だめ……せっかく頑張ってきたのに、こんなところで負けるわけには……。
眩暈がしそうになって頭を抱えた。
どうしよう。
解答どころか、問題さえ頭に入ってこないよ。
