18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


 絢はその日から遥と一緒に行動した。

 すると、今までいじめていた奴らは絢を避けるようになった。

 不思議なことに、今まで絢を非難していた教師も、まるで人が変わったように優しく接してくれた。


「長門くん、君は一人親家庭で大変だろう。何か困ったことがあれば、いつでも先生に相談していいんだよ」


 絢は吐き気がした。

 今まで散々、絢のことを蔑んで見ていた教師たちは、遥と友達というだけで態度をころりと変えたのだ。


 それほどに、遥の影響が凄まじいのだということを絢は知った。

 彼が強気な態度でいられるのは、家柄というバックグラウンドがあるからだ。


 遥は利用できる存在だと、絢は思った。

 しかし、そんな絢の目論みは遥にバレバレだった。


「俺のことを利用してもいいよ。その代わり、俺もお前を利用するよ」


 絢はそれでもいいと答えた。

 どうせ自分が出来ることなど限られている。

 遥にとって絢の存在はあってもなくてもいいくらいだろう。


 それでも、遥は絢が一緒にいることを受け入れた。

 何の得もないというのに。


「なぜ、僕と一緒にいてくれるの?」

 と絢が訊ねると、遥は答えた。


「俺と似てるから」