18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~

< 絢 >

 まあ本気でやるわけないけど、と絢は冷めた目で彼女を見つめた。

 妙なことを言っていたので仕返しのつもりだ。

 しかし、彼女が興味深い反応をしたので、少々意地悪なことを言いたくなった。


「学校じゃなければいいんだ?」

「え?」

「だって君、ここが学校だから拒否してるんだろ?」

「そ、そうだけど……でも、それだけじゃない! あ、あたしは、付き合ってない人となんてできないもん」


 絢は「あ、そう」と言って彼女から離れた。

 今さら清純ぶってもな、と絢は胸中で呟いた。


「あ、あなたみたいな人がいる学校に、子供預けてる親もたまったもんじゃないわね」

 女が急に偉そうに話し始めたので絢は少々イラっとした。

 だが、彼は冷静に返す。


「生徒に手は出さないよ。だってバレたら面倒じゃん。100%教員(こっち)が不利になるのに、わざわざそんな危険を冒すやつの気が知れないね」

「相変わらずサイテー発言だけど、まあ正論だわ」

「ところで、それ飲んだらさっさと出ていってくれる? 暇じゃないんだけど」

「暇そうに見えますけど?」


 上目遣いでじっと見られたので、絢は不快な気分で顔を背けた。