18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


「長門先生ってリューセイに似てますよね」

「リューセイ?」

「ほら、SAMURAI王子の!」

「ああ、よく言われるよ」

「やっぱりー。あたしも絶対そうだと思った」


 ふたりの会話に、私は入れないでいた。

 いや、入りたくなかった。

 小春はすっかり長門先生に心を許して、気軽な感じで会話をした。


「長門先生にもショーマみたいな人がいたら絵になるのになあ」

 ただのJKの、アイドルの推しカプに絡めての、冗談だ。

 それに対し、彼は言った。


「ああ、いるよ」

 長門先生の返答に対し、小春は目を輝かせながら「きゃー」と反応した。

 しかし、私にはそれが冗談でも笑えない。


「えー素敵。友達ですか? 恋人ですか?」

 小春の問いに、彼はどんな返答をするのだろうとドキドキした。

 長門先生は笑顔で答える。


「特別な人」

 どくんと鼓動が鳴った。


 何言ってるんだろう、この人。

 だって、普通、友達って言うよね。

 男性なんだから。


「それって、やっぱり愛ですか?」

「さて、どうだろうね。好きに想像してくれて構わないよ」

「いやーん、妄想力が高まるうー」


 長門先生は歓喜にまみれる小春に笑顔を向けたあと、そっとこちらに視線を向けた。

 それはまるで含みを持たせるような表情で、私に向けているのが丸わかりだった。