18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


 は、恥ずかしい!!

 遥さんの言動だけで、私の体が変に反応してしまう。


「遥さん……放し、て」

「い、や、だ」

 彼はわざわざ言葉を強調しながらそう言った。


「片方に体重がかかったら揺れちゃうよ」

「暴れると余計に揺れるよ」


 やだやだ。こんな高いところで揺れたりしたら怖いよ。

 ジェットコースターは一瞬だけど、観覧車なんて降りられるまで時間がかかるんだから。

 と考えたところで、ふと思った。


「遥さんは怖くないの?」

「怖くないよ」

「ジェットコースターは怖いのに?」

「あれは内臓が飛び出しそうだから気持ち悪いだけで、高いところは大丈夫」


 そういうものなのだろうか。

 疑問に思っていると、遥さんにぐいっと手を引かれて、そのまま彼のとなりに座らせられた。


「いろは、さっきの続きを聞かせて」

「続き?」

「もし、伊吹くんに告白されたらどうするかというところ」


 遥さんがとなりで穏やかに微笑んで言った。

 まだこの話を引っ張るんだ、と少し呆れてしまったけれど、やっぱり少しは不安があるということだよね。


「どうもしないよ。ごめんねって言うだけ」

「どうして?」

「えっ……」


 どうしてって、そんなことをわざわざ言わなきゃいけないのかなあ?


「だって、私は結婚してるし」

「彼はそのことを知らないよね」

「そう、だけど……」


 となりの遥さんを見上げると、夕焼けの黄金色に包まれていて、眩しくて目を細めてしまった。


「だって、私は……遥さんのことが、好き……だから」