遥さんとはほぼ毎日メッセージを送り合っている。

 今日は何をしたとか、学校で何があったとか、そんなたわいない話なのだけど。

 それでもメッセージが来ると嬉しかった。


 たまに電話も来た。

 彼はきっとすごく忙しくて、電話をしてもそんなに話せなかった。


 それでも、あの落ち着いた穏やかな声を聞くと、とても心地よくて、なんだか彼がそばにいるような気がしてドキドキした。


「最近のいろは、ちょっとおかしい」


 そう言ったのは、友達の青葉(あおば)小春(こはる)

 黒縁眼鏡をかけた私と同じ部活の子だ。

 部活とは言っても同好会で『推しを愛でる会』と言い、小春が部長である。


 私たちの活動はただ推しを愛でるだけ。

 その方法は小説を書いたり、漫画やイラストを描いたり、アイドルのコンサートに行ったりとなんでもあり。


 小春は『SAMURAI王子』のメンバーをネタにしてBL小説を書いている。

 そして私はそのイラストを描いているのだ。