18婚~ヤンデレな旦那さまに溺愛されています~


 冷たいレモンジュースを飲むと、遥さんはすっきりした表情になった。

 それから絶叫系ではないアトラクションに乗り、少し混雑が解消されてきた頃に遅めの昼食をとった。


「次は何に乗ろうかな」

 ガイドマップを広げて探してみる。けど、絶叫系以外となるともう限られてくる。


「お化け屋敷は?」

 突然の提案にどきりとした。

 遥さんを見上げると、彼は穏やかな笑みを浮かべている。

 それだけは、絶対に避けたいと思っていたのに……。


「えっと、時間があれば……」

「時間はたっぷりあるから心配ないよ」

 にこやかな顔でそんなことを言われた。


「でも、遥さんは体調が万全じゃないし」

「絶叫系でなければ何でもいいよ」

 ああ、これは……お化け屋敷に行くパターンだ。

 逃れられないやつだ。


「もしかして、いろはは苦手? お化けが怖い?」

 困惑したような顔で訊かれた。

 なんだかわざとらしく感じるのは気のせいかな。


「怖いわけないよ。もう大人だし、作り物だってわかってるんだから」

 強気でそんなことを言ったら、遥さんは「そうだよね」と満面の笑みで答えた。


 ううう……これは、もしかして遥さんの仕返し!?